■ ゴーカイジャーの神回3選
先述の通り、ゴーカイジャーは35作記念作品ということで、
過去作品のキャストが多数出演しています。
そのペースは、前後編となっている回を除けば、おおよそ2話につき1話となっていて、
全51話のうち半分くらいはゲストが登場しているわけですが、
ゴーカイジャー自体のストーリーの完成度もとても高く、
キャラクターたちの過去や性格の深堀りも全く疎かになっていないので、
ゲストに食われてしまうということがほとんどありません。
そんな安定した面白さを誇るゴーカイジャーの中から
特にストーリーや演出などが秀逸な神回を、
私の独断で3つ選んでご紹介させていただきたいと思います。
あくまで主観での選定となりますので、
「ランキング」ではなく「3選」とさせていただきます。
まずご紹介するのは、超力戦隊オーレンジャーの
オーレッド・星野吾郎とオーピンク・丸尾桃が客演したこの回です。
ゲストが二人出演し、その両名がここまでストーリーにしっかりと絡んでくるのは
この回の他にありません。それがまず豪華。やばい。
開幕早々チェンジマンの所属組織・地球守備隊を襲撃する宿敵・バスコと、
それについてUAOUの本部で報告を受ける星野。
地球守備隊とUAOHが連携をとっているというのもゴーカイジャーならではの描写でベネ。
場面は変わりゴーカイジャーの面々。
占いで「うあおー」と叫ぶナビィ。
この「うあおー」という言葉。激走戦隊カーレンジャーVS超力戦隊オーレンジャーで
レッドレーサー・陣内恭介がUAOHを読み間違えて口にした言葉が元ネタですね。
これに限らず、ゴーカイジャーは歴代作品関連の小ネタがとにかく多いんです。
背景の看板の文字やロゴですら小ネタがふくまれているので
細かいところまで見逃せないですよね。
この回の最大の見所は終盤のバトルシーンです。
まずBGMがヤバい。レジェンド回ではいつもゲスト戦隊のOPの
インストゥルメンタルがBGMに使われるのですが、
今回はオーレンジャーのOPの「オーレ!オーレンジャー」ではなく、
あえて挿入歌の「虹色クリスタルスカイ」が採用されました。
これはもともとオーレンジャーのOPのとして使われる曲として用意されたのですが、
出来の良さから挿入歌として使用されたという経緯があり、
ファンからの人気も高い曲で、期待を裏切らない演出だと感じます。
そしてそのアツいBGMの中での戦闘。
稲妻・超力トンファ、電光・超力クラッシャー、光速スプラッシュイリュージョン、
閃光ミラクル気功弾、秘剣・超力ライザーと
個人必殺技を全員披露してからの、
超力ダイナマイトアタックとオーレバズーカという、
初期後期それぞれの合体必殺技を連発。
ヤバい。オーレンジャー本編でだって、こんなに連発したことはありません。
技や武器をあまり使ってもらえなかったなど、いい扱いとは言えないレジェンド回もある中、
このオーレンジャー回はとても優遇されていて、作品へのリスペクトを感じます。
というわけで、1つ目の神回にこちらを選ばせていただきました。
こちらも過去作品のキャラクターをゲストに招いてのレジェンド回です。
この話はタイムレンジャー回で、客演したのはタイムイエローのドモンです。
ドモンが登場するのは、序盤のビデオレターのシーンとエピローグのみと、
先述の31話ほど出番は多くありません。
しかしこの話が神なのは客演の豪華さゆえのことではないのです。
ドモンがゴーカイジャーにビデオレターで、
「過去にタイムスリップして寝隠神社が破壊される歴史を改変しろ」という
司令を出すところから話が始まります。
そして一同はタイムスリップしてその神社にたどり着くのですが、
そこで侍戦隊シンケンジャーの戦闘兵・ナナシ連中と、
それらに襲われている一人の少年に遭遇します。
ナナシ連中の後を追った先で見たものは、
シンケンジャーとゴセイジャーが揃い踏みしている光景でした。
なんと、今回の舞台は1年前に放映された
『侍戦隊シンケンジャーVS天装戦隊ゴセイジャーエピックon銀幕』の裏側だったんですね。
VSシリーズは次作の戦隊のお披露目の場でもあり、
放送に先駆けて少しだけ活躍するところを見られるのもお約束です。
ただ、基本的に作品ごとに独自の世界観で作られているスーパー戦隊シリーズにおいて、
劇場版やVシネで展開されるVSシリーズはテレビ本編とはパラレル的に扱われることが多いため、設定やキャラに多少の矛盾やブレがあっても、
「VSシリーズは特別編だから。そういうものだから」と細かいことは気にされないのもよくあることなのです。
ゴーカイジャーは、シンケンVSゴセイに登場してゴーカイチェンジを披露したのですが、
設定上、時系列的にこの時ゴーカイチェンジするのは矛盾がありました。
それを、「実はタイムスリップしていた未来のゴーカイジャーでした」という脚本にして、
1年越しに伏線回収してみせたのです。
伏線というか、どうやら脚本家の後付設定だったらしいのですが、
前作の劇場版までもゴーカイジャーのストーリーに組み込んで盛り上げる構成は感動モノです。
また、タイムレンジャー回としての演出もとてもエモいのです。
タイムレンジャー本編において、未来人であるドモンは現代人の女性・ホナミと恋に落ち、子供を設けます。詳細は割愛しますが、最終回でドモンはホナミを置いて未来に帰ることになります。
実はこの時にできた子供が、先程襲われていた少年だったんですね。
ドモンは今回の顛末をゴーカイジャーからの報告によって把握しますが、
そこで過去に置いてきた妻子が元気に生活していることを偶然知ることとなり、
一人むせび泣いてこの回は幕を閉じます。
タイムレンジャー未視聴の人からするとなんで泣いてるのかすらよくわからないと思いますが、
視聴済みで事情を知っている人がみると切なくてたまらないエピソードです。
こんな形でタイムレンジャーの後日談を観られるなんて思ってもいませんでした。
さらに、今回は触れませんがこの回は第45話のカクレンジャー回へ繋がる伏線となっており、
『海賊戦隊ゴーカイジャー』としての重要なエピソードの1つとなっています。
こんな密度の話をたった1話の中で描ききったのです。ほんとにすごいです。
いろんな要素濃縮還元のこの40話を神回の2つ目に選出しました。
最後に紹介するのはここまで紹介した2つと違い、過去の作品の客演回ではありません。
神回3選と題して客演回を2つも紹介しておきながら言うのもなんですが、
先述の通りこのエピソードに限らず、ゴーカイジャーは通常エピソードもクオリティが高く、
メイン6人のキャラクターの掘り下げが、しっかりと1年を通して成されていて
それぞれの過去や因縁を描くことに手が抜かれていません。
このエピソードもその一つで、ゴーカイピンク/アイムの過去に関するエピソードです。
アイムは食材の買い出しに出かけていた先で、皇帝親衛隊のザツリグと遭遇します。
このザツリグ、「惑星の破壊神」と呼ばれるめちゃめちゃ強い敵なのですが、
実は、アイムの故郷であるファミーユ星を滅ぼした張本人だったのです。
激高して斬りかかるアイムですが、全く歯が立たず撤退。
その後、深夜に船を抜け出し一人でザツリグと戦いに行こうとするアイムを5人が引き止めます。
「一人で行っても殺されるのが現実だ」と厳しく言い放つゴーカイレッド/マーベラス。
それでも故郷の仇のために行かなければと涙を流すアイム。
マーベラスは、「海賊になって手配書に顔が載れば、自分が生きてザンギャックと戦っていることを逃げ延びたファミーユ星の人たちに伝えられる。だから海賊になりたい」と、アイムがメンバーに加入したときのことと語り、彼らのためにも一人で死ぬわけにはいかないだろうとたしなめるのです。
ファミーユ星の王女だったアイムが、なぜ宇宙海賊なんて似つかわしくないことをしているのかという疑問が明らかになった瞬間です。
「前を見ろ。俺達がいるだろ」と激励するここのマーベラスかっこいいんですよねぇ。
その後の戦闘シーンでは、アイムが他の5人全員とそれぞれペアを組んで連携攻撃を繰り出します。
ゴーオンウィングス、ゴウライジャー、ゴセイピンク&ゴセイイエロー、
デカスワン&デカマスター、ダブルシンケンレッドに次々とチェンジしての攻撃がアツい。
ゴーカイジャーでは初めてのゴーオンゴールドとゴーオンシルバーへのチェンジとか、
剣士キャラのジョーがデカマスターでその相棒的なポジションのデカスワンとかも
ネタが効いてていいですが、
個人的にはマーベラスとのダブルシンケンレッドが特に燃えたました。
これってシンケンジャー本編でも一度も実現しなかった組み合わせなんです。
こういう、原点でやらなかったことを見せてくれるのも、ゴーカイジャーの見どころの一つなんですよね。
■ まとめ
というわけで今回は、独断で選ぶ海賊戦隊ゴーカイジャーの神回3選をご紹介しました。
感情のままに書いていたらめちゃめちゃ長い文章になってしまいました。
みなさんの思い出のエピソードは入っていましたか?
このブログでは今後も特撮作品のコラムや、出演俳優の情報をまとめていきますので、
次の投稿も楽しみにお待ちいただければ幸いです。
海苔
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